こちらの当社ブログへ久々の投稿となります。(最近は、noteでの投稿がメインとなっております。)
本日は、李東陽氏というマーケティング専門のメディアを主催している方の、「中間層の『辣妹(イケてる女子)』たちの間で、セクシーなテニススカートが大ブーム」(原題は「性感网球裙,让中产辣妹抢疯了」)というコラムをご紹介したいと思います。
以下、AI翻訳(DeepSeek)を使いざっと翻訳したものを校正後、要約してのご紹介となります。
中間層の『辣妹』たちの間で、セクシーなテニススカートが大ブーム
繰り返されるファッションの流行 – 今、新たな旋風が巻き起こっている。
ファッションの流行は一定の周期で繰り返されると言われているが、今はテニススカートに順番が回ってきている。
街の至るところで、テニススカートで颯爽と闊歩する女性たちを見かける。
オフィスビルでは、カーディガンにショートテニススカート、ハイヒールを合わせたOLの姿が、カフェテラスでは、鮮やかなテニススカートとスニーカー姿の『辣妹(イケてる女子)』が日光浴を楽しんでいる。
週末になれば、若い女性たちが、プリーツのテニススカートにポロシャツという流行りのコーディネートで散策を楽しんでいる。
かつて、テニスコートだけで見られたスポーツアイテムが、今ではスポーツの枠から完全に飛び出し、中間所得層の『辣妹(イケてる女子)』たちの新たなお気に入りとなった。
-1-789x1024.jpg)
01.ハイブランドから低価格まで、テニススカートカテゴリーが一気に充実。
今、少し前の潮流だったヨガパンツ人気は落ち着き、元々セクシーな遺伝子を持つスカートが、スポーツファッションビジネスの中心的存在となっている。
業界関係者は、「テニススカートを着る10人のうち、本当にスポーツとしてのテニスを楽しんでいる人は、1人いるかどうか」と語っている。この指摘は本質を突いている。
テニススカートはとっくにスポーツとしての属性を離れて、多機能性を備えたファッションアイテムへと進化を遂げたのである。
そして、このブームは決して、突然現れたものではない。
2年ほど前から、テニス風のファッションはSNSで人々のファッションに対する感性を刺激してきた。そしてそれが頂点に達したのが、2024年の夏。あらゆるブランドが一斉にこのカテゴリーに参入し、ついに大爆発したのである。
ハイブランドから、低価格ブランドまで、ほぼ全てのファッションプレイヤーが参入を果たし、テニススカートカテゴリーは充実のときを迎えた。
GucciやCelineなどのハイブランド、ヨガパンツで人気を博したLululemon、そして、安踏(ANTA)、李寧(Li-Ning)といった国内ブランドなどもこの流行に追随したことで、あらゆる価格帯のテニススカートカテゴリーに多様なスタイルの商品が出揃ったのである。
-743x1024.jpg)
-770x1024.jpg)
-769x1024.jpg)
02.なぜ、テニススカートは爆発的な人気となったのか?
なぜ突然、テニススカートが爆発的な人気を博したのか、これは考察に値するテーマだ。
商品に一票を投じる、つまり購入することは、ダイレクトに美意識の現れである。
テニススカートがなぜ爆発的な人気を得たのか?その秘密と、テニススカートが持つ「貴族的な気質」という要素には、切っても切れない関係がある。
テニスというスポーツは、その誕生時からエリート層との深い結びつきがあり、ドレスコードや、コート上のルールなど、すべて優雅さ、洗練されたイメージで包まれている。
この遺伝子により、テニススカートは、本質的にセンスを測る指標となる属性を備えているのである。
ゴルフバッグが社会的階層を象徴するように、シルエットの整ったテニススカート一枚を身にまとうことで、中間層の『辣妹(イケてる女子)』たちは、無言にして自らの身分を表明しているのである。
また、レトロブームの強力な後押しも見逃せない。
今流行している「テニス・コア(Tenniscore)」スタイル(テニスファッションのインスパイアを得て、クラシックなテニスウェアの要素を取り入れたスタイル、コーディネート)は、1980年代のテニスファッションの復刻であり、プリーツの裾、ステッチ、ミニロゴといった要素が、現代のデザインの中で新たな息吹を得ている。
小紅書(中国の人気SNS)では、「#Tenniscore」タグのついた投稿は10万件を超え、各投稿を覗くと、テニススカートの可能性が実に多様に表現されている。
-775x1024.jpg)
-773x1024.jpg)

03.「仕事時に着用」テニススカートの売上が、前年同期比312%増加
テニススカートは、セクシーさに加え、快適さを兼ね備えている。これは重要な点で、タイトなスカートのある種意図的な、見え見えのセクシーさとは異なり、テニススカートは抑制のある誘惑が魅力なのだ。
腰回りのラインは整えられ、インナーショーツが着用時の不安を解消し、プリーツの裾が動作に合わせて揺れる。
歩行時の脚のラインは動的に美しく、さまざまな体型の女性が自信を持てる。
「テニススカートを履くと、『班味(仕事の匂い=仕事や職場での疲れ)』が、ずいぶん和らぐ」と、SNSを通じて多くの人がテニススカート着用時の気分を表明している。
都会のOLたちは、テニススカートを履いて歩くと、裾が軽やかに揺れ、それだけで元気な雰囲気をまとうことができ、リラックスできる。
テニススカートがなぜ、職場でのファッションを征服できたのか?それは、新世代の働く若者たちの革新的なニーズを捉えたことにその秘密があると言える。
現代の若者の生活リズムはますます速くなり、通勤・運動・デートの場面をシームレスに切り替える必要がある。
テニススカートは、このマルチなシーン需要を満たす。
朝、職場に着ていっても違和感がなく、仕事帰りにジムに直行しても着替え不要。夜の食事の約束には上着を一枚羽織るだけで簡単に装いを変えられる。
この「一着多様」の特性が、断片化されたライフスタイルにぴったりと適合するのである。
また、情緒的な価値の充足という点も見逃せない。
どういうことかというと、伝統的な職場ファッションとは、プロフェッショナル感が重視されてきたが、反面、「快適さ」や「個性」の表現は犠牲となってきた。
テニススカートの出現はこの束縛を打ち破った。
職場で着用するファッションとしての妥当性を保ちつつ、スポーツの遺伝子を通じてリラックスした活力を伝え、若者が厳しい職場環境でも自分らしさを保つことを可能にする。
ブランド各社は、この商機を迅速に嗅ぎ取り、「職場向けテニススカート分野」へ的を絞った展開を始めている。
LACOSTEは、ウール混紡のニットテニススカートを発売し、同ブランドのポロシャツと合わせた「エリート通勤スタイル」を提案している。
Alo Yogaは、光沢のある素材の代わりにマットな生地を使用し、スポーティ感を弱めつつ質感を高めた商品を発売した。
こうしたデザイン上の微調整により、テニススカートはレジャーと職場の境界を越えて、その消費シーンも夏季から通年へと広がっている。
データも、この潮流の爆発力を裏付けている。
ECプラットフォームのデータによると、「職場」「通勤」のタグが付いたテニススカートの売上は前年同期比で312%も増加し、普通のデザインのものを大きく上回った。
また、大都市のオフィス街周辺では、関連商品のリピート購入率は40%に達している。
テニススカートは、職場のファッションルールを書き換えつつあり、さらには、若者の仕事と生活におけるスタイルまで、影響を与えているのである。
04.社会学的観点からの「テニススカート人気」に対する考察
フランスの社会学者ピエール・ブルデューは、著書『ディスタンクシオン(社会的判断力批判)』の中で、「文化消費の様式と文化的趣味は重要な区別機能を持ち、階級的地位を象徴的に示す」と書いた。
テニススカートの爆発的人気は、まさにこの審美権力をめぐるゲームの有り様を説明する、生きた注釈なのである。
歴史的な観点から見ると、テニススカートそのものが「身体の権利」をめぐる闘争であった。
100年前、女子テニスプレーヤーは、膝下のドレスにブルマを合わせるスタイルでプレイしなければならず、スカートの長ささえもがルールの一部となっていた。
今日、ショートテニススカートの流行は、女性の身体解放への呼応であると同時に、伝統的な審美規則への挑戦でもある。
この変遷の背景には、女性たちによる「審美の自主権」をめぐる争いがある。もはや固定観念によって定義されるのではなく、自らが、「美しく」、「快適な」服装を選択するのである。
現代の消費における文脈でも、テニススカートの流行は同様の観点を裏付けている。
一方で、それはブルデューの言う「区別」機能を継承している。ハイブランドの参入は、そのエリート属性を不断に強化している。
Gucciのテニススカートは4900元(約10万円)、Celineのクラシックモデルも3200元(約6.5万円)と、これらの価格障壁が自然と階層を形作っている。
ブルデューの指摘にまさに見られるように、ブルジョア階級は文化消費を通じて「区別感」を築き上げる。テニススカートは、まさにこの戦略がファッション分野で具現化されたものなのである。
しかし他方で、大衆ブランドの追随が、この階層の壁を崩しかけてもいる。
安踏(ANTA)は、99元のベーシックモデルのテニススカートを発売し、デカトロン(Decathlon)の機能性テニススカートは、わずか129元で販売されている。これらの製品により、一般の消費者も、ファッションの潮流に乗ることができる。
この、「高級ブランドが先導し、大衆ブランドが追随する」モデルは、伝統的なぜいたく品がファッションにおける発言権を独占する状況を打ち破り、ブルデューの言う「象徴闘争」を形成している。
消費者は、手頃な価格で高級な審美眼を複製(コピー)することにより、既定の階層秩序への穏やかな反抗を実現しているのである。
より重要な変化は、テニススカートの流行が「審美権力の下方移動」を象徴している点にある。かつては、特定階層のファッションが容易に大衆全体へ拡散したが、現代ではSNSの普及により、審美表現は日を追って自由になっている。
小紅書(中国の人気SNS)では、様々な体型、職業のユーザーが自分自身のテニススカートコーディネートを投稿しており、しかもその中では、誰もが納得するような正解といったものはない。
個人化された表現があるのみだ。
この多様化の趨勢こそが、商業的な力学によって作り出させる審美疲労に対する、最良の反抗なのである。
以前ブームとなったサイクリングウェアやフリスビーなどと同様に、テニススカートの爆発的人気の本質は、若者たちが新たなライフスタイルに対して投じる、自らの価値観を投じる一票なのである。
それは、中産階級のアイデンティティを担うと同時に、個人化された審美主張を伝え、実用的なニーズを満たすと同時に、情緒的価値をも提供するのである。
コラムは、ここまでとなります。
テニススカートの流行については、筆者は上海市に生活していながら気づいていなかったのですが、この記事を読んでから思い起こすと、確かに街でそのようなスタイルの若い女性を見かける機会は増えたように思います。
日本人の感覚では、テニススカート風のテイストを取り入れた、いわゆる「テニス・コア」で街を歩くぐらいまでは理解できても、出勤時に着用し仕事をするというのは、かなり斬新なスタイルと感じたのですが、このコラムを読まれた方は、どう感じるでしょうか?
また、テニススカートの爆発的な流行に対する考察ーー実用性、生活シーンとの融和性、社会学的な観点からの価値観の多様化と自由な発露ーーも、非常に興味深く感じました。
*
今後また、興味深い中国の分析記事がありましたら取り上げてみたいと思います。
01のコピー-120x68.jpg)
のコピー-2-120x68.jpg)
コメント